INTERVIEW
オンとオフを上手に切り替え、両方を楽しむにはどうすればいいだろう。
人は休みの日にどんな過ごし方でリフレッシュを図っているのか。
「遊びの講義」では、各分野の達人たちにインタビューを敢行。
人生をより楽しくするためのヒントを探っていく。

 

【プロフィール】

児玉健さん
人狼ルーム代表
プロけん玉パフォーマー

 

1980年、大阪府生まれ。大手不動産会社を退社後、ゲームスペース「ドイツゲームスペース@Shibuya」と「人狼ルーム@Shibuya」の運営を開始。TBS「ジンロリアン~人狼~」の監修、イベント「アルティメット人狼」を主催など活動。 また、けん玉パフォーマンスコンビ「ZOOMADANKE(ず~まだんけ)」のコダマンとして活動し、日本のみならず世界中から高く評価されるようになる。NHK Eテレ「ニャンちゅうワールド放送局」にけん玉サムライとして出演中。 2-%e6%96%87%e4%b8%ad1

 

■営業マンからけん玉パフォーマーに転身

 

――「ず~まだんけ」のふたりは、今年7月に「スマスマ」に出演。SMAPとゲストのミランダ・カーを前に、日本文化のスペシャリストとしてけん玉パフォーマンスを披露した。しかし意外なことに、児玉さんは子供のころからけん玉に親しんでいたわけではないという。

 

 

「大学を出てから、リクルート系の不動産会社で営業マンをやっていたんですね。関西で2年、東京で4年、家をバリバリ売っていました。仕事は面白かったし、会社も好きだった。でも、一生続けるかと言われたら、違うなと思って。

 

それで29歳のときに辞めたんです。ちょうどリーマン・ショックの後ですね。会社には、『辞めたほうが楽しそうだから』と言いました。アホっぽい理由ですけど(笑)、1カ月間考え抜いて出した答えがそれでした。辞めたら、無限に何かありそうな気がしたんです。

 

独立して何をするか決めてはいなかったけど、エンタメに関わりたいとは漠然と思っていましたね。そんなときに出合ったのがけん玉とボードゲームでした」

 

 

――「ず~まだんけ」の相方であるイージーさんとはどこで出会って、コンビを組むようになったのだろう。

 

 

「『おもちゃコンサルタント』という資格を取得するための講座で、同級生だったんです。僕は会社を辞めた後に通っていて、イージーは大学生でした。彼はけん玉が得意だと知って、教えてもらったんです。そのとき、けん玉をカッコよく、しかもコンビで見せる人たちは世の中にいない。二人でコンビを組んでけん玉パフォーマーンスコンビを結成しよう!という話になったんです。

 

最初は保育園や児童館を訪れて、練習の成果を披露しました。紐(ひも)なしのけん玉で、アクロバティックな技を見せる。でも、それだけでは子供たちは盛り上がってくれないんです。ふーんといった感じで反応が薄い。ほんと正直ですよ。

 

2人で同時に技をキメて踊るとか、対決して負けたら悔しがるとか、それこそコントみたいなこととかを組み合わせて初めて、注目してくれるようになる。難易度が高くて派手な技をキメることはもちろん、見ている人たちに喜んでもらうパフォーマーとしては、目の前で起きていることが何か楽しそうだなと思わせるのも大事だとわかりました」 3-%e6%96%87%e4%b8%ad2

 

 

――けん玉は日本のストリートカルチャーに乗り、数年前から若者の間で急速に広まった。また、それ以前には海外で人気を博した。けん玉は今、古くて新しい日本文化として世界中の関心を集めている。

 

 

「ブラジルの日本祭りやタイのジャパンエキスポ、イタリアのワールドエキスポ、フランスのテレビ番組とサーカスイベント、それにアメリカのけん玉大会など、僕らは2年くらい前から様々な海外のイベントに呼ばれるようになりました。今年で4ヶ国に行きましたね。

 

向こうではそのまま『KENDAMA』と呼ぶんですけど、世界がけん玉に興味を持っているという実感があります。たとえばアメリカでは、景色のいい公園でカッコいい技を決めたのをGoProなどヘルメットカメラで撮って、その動画をInstagramに載せるのが流行っている。

 

今は世界とつながるのにいろんなSNSがあって、動画のアップやシェアも簡単にできるようになりましたけど、その中でも特にインスタは便利で、僕も日々の練習風景なんかを撮影して投稿しています。そうすると、海外のフォロワーの子供から僕らの技の真似をしたとか、インスパイアされてけん玉を始めたとか、うれしいリアクションをよくもらえるんです」

 

■けん玉に出合って人生が大きく変わった

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――児玉さんがけん玉を始めたのは30歳のとき。それからわずか数年で、世界のお手本にまで登り詰めたのはすごいことだ。

 

 

「運動神経が特別よかったわけでも、何か才能があったわけでもないんですけどね。大人になって、しかも30歳を過ぎて、何かで一番になれるなんてこと、なかなかないじゃないですか。でも、人がやっていないことをやれば一番になれる。そう信じて努力したのは確かです。

 

面白いのは、日本人にけん玉やりましょうと誘うと、子供のころ失敗した経験が尾を引いているのか、そういうの苦手と言って断る人がたくさんいるんですよね。一方、海外の人には苦手意識も先入観もないから、これは楽しい遊びだと思って始める。だからすぐに上達する。多くの日本人は、けん玉を楽しむところまでいかないで、やめてしまった印象です。実際僕がそうでしたしね(笑)

 

でもそれはもったいない話で、けん玉はスキルトイという一面がありますけど、単純に楽しい遊びなんですよね。ブラジルの路上でサッカーボールをけっていれば、自然と子共たちが集まってきて仲よくなれる。けん玉にも同じような力があって、僕なんかはそれで海外に知り合いができて、人生が大きく変わった。そういう意味では人狼(じんろう)ゲームも同じかもしれません」

 

 

――人狼とは海外発のカードゲームで、日本では数年前からじわじわと知名度が高まり、若者を中心に一部でブームを巻き起こしている。児玉さんはプロけん玉パフォーマーになるのと同時に、渋谷に専用のゲームスペースをオープン。司会であるゲームマスターを務めることもあれば、みずからプレイヤーとしてのイベントもする。いずれにしても、参加者と一緒になって楽しんでいるという。 %e3%81%9d%e3%81%ae%e4%bb%96%e5%80%99%e8%a3%9c-4

 

「日常の何もかもを忘れられるような雰囲気づくりも大事だと思っていて、渋谷の人狼ルームは異空間をコンセプトにしているんですね。帰りにドアを開けて一歩外に出たら、ここが渋谷のマンションだったと改めて気づく。そういう場所でありたいと思っています。

 

僕は5年ほどマスターをやっていますけど、人狼が終わった後、いつもプレイヤーの方に声をかけます。それは、今日のあのウソは絶妙でしたねといった褒め言葉だったり、次は勇気を出してこう仕掛けていきましょうといったアドバイスだったり。そういうのがあると、特に初心者は遊びとして面白くなっていくんです。

 

人狼は言葉を使うゲームなので、特に知り合いが十数人集まってプレイすると、その中で気弱な人がたたかれやすくなるという面があるんですね。マスターは、そこをバランスよく管理してあげなければいけない。みなさんに楽しんでいただくための接客を、僕を含めたうちのゲームマスターはいつも心がけています」

 

 

――児玉さんには、人狼ルーム代表とプロけん玉パフォーマーの2つの肩書があり、起きている時間のほとんどをけん玉とゲームに充てているという。つまり、仕事で多忙を極めているというわけだ。

 

 

「いや、でも毎日がほんと楽しいんですよ。けん玉は昨日の練習が一番楽しかったし、人狼は最近やったやつが一番楽しかった。これは今思い返しても不思議なんですけど、会社を辞めてふらふらしているときに出合ったけん玉とゲームに対して、その時僕はこれをずっと続けていくんだろうなと思ったんですね。

 

この2つのコンテンツは絶対に楽しいから、趣味でも一生やるだろうなと。一生やるんだったら、まずビジネスにできるかどうかチャレンジしてみるのがいいんじゃないか。そういう判断でした。以来、土日もなくけっこう忙しく過ごしていますけど、最近は休暇をとるようにしているんです。

 

3ヶ月に一度、3~4日ほど休んで家族で旅行に出かけています。連泊して、移動もせずゆっくり過ごすのがいいですね。子供が大きくなったら、海外に行って羽を伸ばす、なんていうのもいいかもしれません」 6-%e6%96%87%e4%b8%ad5

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BBQ公認ライター

佐藤克成

バーベキューのすばらしさ、おいしさを世に伝えるために生まれてきたといっても過言ではない。勿論、三度の飯よりバーベキューが好き。編集協力した書籍に『いますぐ使えるオートキャンプ完全マニュアル』『大満足のバーベキュー料理80』(ともに太田潤著、大泉書店刊)など、BBQ一色の人生。